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トルコ 軍事クーデターはまだ終わらない 今後の動き [海外事情]

  クーデター.png

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15日トルコ共和国で軍事クーデターが勃発。
  死者194人を出す大惨事となりましたが、
  発生から12時間余りで鎮圧されました。

  アジアとヨーロッパを結ぶ大国で、
  日本の友邦であるトルコでまさかの非常事態発生に、
  事態の推移には国内でも関心が高まっています。




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  クーデターの首謀者は
  イスラム教の市民運動家ギュレン師を信奉する
  軍の一部とされていますが、

  ギュレン師は、そもそも、
  エルドアン大統領とは考え方が近い
  同志のような関係にあった人物で、

  その一派とされる軍の一部が、
  クーデターに踏み切るほどの
  逼迫した状況にあることは、
  誰も予測できていませんでした。

 

   トルコ軍.png

トルコ軍は1923年の共和国建設以来、
4度のクーデターを引き起こしていますが、
いずれも世俗化を守る立場であり、
全て成功しています。



確かにエルドアン大統領は、
世俗化に対抗するイスラム化を進める意向を持ち、
軍に対するシビリアンコントロールを
強めていることも事実で、

昨年11月に行われた総選挙で、
与党が過半数の議席は確保したものの、
得票率(49.5%)は、
国民の半分が支持しているに過ぎないことを
示しています。


今回のクーデターは、軍の一部しか動いておらず、
大統領の拘束さえできないほどの
杜撰な計画で、失敗に終わりました。



クーデター後に発表された
大量の処分者数(約7500人)をみるにつけ、

大統領への権限集中を目指す『新憲法制定』に向けた
「エルドアン大統領の自作自演だったのでは?」
という説が、まことしやかに囁かれています。
 





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トルコの動きについて、
クーデター後の記者会見で、
米国のケリー国務長官は
「(独裁制への懸念から)NATOもまた、
民主主義の尊重を(加盟の)要件としている」」とし、

モゲリーニEU外相は、
エルドアン大統領が処分にあたり
死刑制復活の意向を示したことに関し

「死刑が許可された国はEUに参加することはできない」
と警告するなど、
軍事・経済の両面で、
欧州の既存体制に不協和音が響き始めています。


   撃墜.png


 
トルコに注目が集まったのは、昨年11月、
領空侵犯したロシア戦闘機を撃墜した時でした。

相手が相手だけに、即、軍事衝突かと思われましたが、
ロシアは強く非難したものの、
報復は経済制裁に止まりました。




この件に関しては、ことし6月に
イスラエルのネタニヤフ首相が
ロシアを訪問したことが関係しているのか、

ネタニヤフ.png

まず626日に、
2010年以来冷え込んでいた
トルコ・イスラエル間の関係修復を公表し、

翌日、エルドアン大統領は、
撃墜したロシア軍機の、
パイロットの遺族に対する謝罪の書簡を送付し、
ロシア側がこれを受け入れ

「早期の関係修復がなされると期待する」
と会見しています。


イスタンブール.png 


しかし、この3週間後、
イスタンブール空港で爆弾テロが発生、
36人の死者と多数が負傷しました。


もし、今回のクーデターが
エルドアン大統領の自作自演ではないとすれば、

何者かがトルコを使って
ロシアに対立させようとしたが、それに失敗し、

逆にトルコが反抗したため、
報復を与えたようにも捉えることができます。

トルコの混乱が、
この程度で済めば問題はないのですが、

ダーイッシュ(IS)やクルド民族など、
不安定要素が絶えないだけに、
もう一段上の事態に
進行してしまいそうな予感がしてなりません。


エルドラン.png

*****


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